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吹上生涯学習フェスティバル 公民館

さてさて、やってきました。地元吹上町でのイベントです。
昨年も出演させていただき、今年もまた声がかかって、なんて幸せな僕でしょう。
11時に会場に到着。今日はスタッフも多く、メンバーも松井清(ピアノ)小野滋久(ベース)の3人で演奏した。
会場に行って、本当にキーボードを使う予定でしたが、グランドピアノがあることを思い出して「松井くん、グランドピアノでやろうよ!」ということで、豪華なセッティングになった。
リハーサルも終えて、15時。いよいよ本番。
今回は 環境推進協議会さんの依頼だったので、環境やふるさとをテーマに歌うことにした。
はじめに「ChangeMyHeart」そして「ミカン色の時期」と続けた。
客席は、ほぼ満席で、しかも初めてみる人も多くて嬉しかった。
トークの内容はやっぱり地元のネタになってしまった。
昔住んでいた家から、うちの猫が寝ている部屋まで、紹介してしまった。
途中は童謡の「ふるさと」そしてオリジナルの「ふるさと」を続けて歌った。

今回も手話の人がトークを手話で通訳してくれて、耳の不自由は人もわかるようなステージになっていた。
そこで、なるべく歌の内容や僕のことがわかってもらえるように、今日のトークは長めになってしまった(いつものことかな?)
最後は「さよならも言えなくて」。するとすぐにアンコールがきた。

アンコールの最後は、今日のコンサートのテーマ「青い地球(あおいほし)」。
後半はみんな合唱してくれて、これは歌を作った人にとっては本当に感動する瞬間である。

昔遊んだ畑でかみきり虫を捕まえたこと、田んぼでカブトエビを見つけたこと、夏祭りに出かける時に必ず近くの田んぼでカエルが鳴いていたこと、いろんな吹上での想い出が頭の中を通り過ぎたステージでした。
それも今では遠い想い出のように文化が進んでいる、仕方ないと言えばそれで終わってしまうけど、そんなあきらめの気持ちではなく、一人一人がほんの少しずつでも、緑を大切にしたり、川を見つめて「きれいだな」って思ってみたり、優しい気持ちが増えていけば、この地球規模でなにかが変わっていくと思っています。

帰りぎわに、一人の男性が僕に声をかけてきた。僕はすぐに思いだした。
「去年も聞いていただいた方だ!」その人は耳が不自由で昨年のステージも見てくれていたが、僕のスタッフのアイディアで風船を抱いていると振動で音楽が楽しめるんだよ、ということで、風船を渡して聞いてもらった人だった。
その人がその後広報に「私は音楽とは無縁と思っていたが、はじめて音楽を楽しむことが出来た、と言ってくれたのだ」
再会できて、本当に感激した。
手話の人を通して「これからの活躍も期待しています」とすばらしい笑顔で言ってくれた。僕には不思議と手話の通訳の前にわかってしった。
きっと心から出てくる言葉は言葉を通さなくてもわかるのだと初めて思った。
僕も「ありがとうございます!」と何度も言って彼は去っていった。

振り向く時に僕はハッとした。風船を抱くことを覚えていてくれたのか、彼は赤い長い風船を両手でしっかりとつかんでいたのだった。

普通に生活していると、ちょっとしたことでイヤになったり、投げ出したくなることがあるけど、目が見えて、耳が聞こえて、食べ物がおいしく感じて、感動できる、ってそれだけで幸せだと思う。

例え目がよくみえて、耳がよく聞こえて、味がよくわかったとしても、それを感じる心がなければ見えない、聞こえない、味覚がないのと同じだと思う。
きっと彼は、耳は不自由かもしれないが、その分、心で感じることが人一倍出来るのだと思う。
僕も、これからはいろんなの物を見て、聞いて、そして、それをしっかり心で感じること、感動できる人になっていこうと思います。

帰り際に主催の方から缶コーヒーをいただいた。「おつかれさまでした」と言ってスタジオに向かって走り出した。
するとスタッフが「俺コーヒー飲めないんだよね」と言った。
「そう言わず飲んでみたらどうですか?まずいと思っているから心が受け付けないんですよ」と言うと
「飲んでみるか」と言って渋々缶を傾けた。
「心でおいしいと思えばおいしいはずですよ!人は心で生きてる動物ですから」と僕が言った。
「うん!うまいと思うとうまい・・かな(笑)」なんて言って、今までコーヒーなんて口にしたことのないスタッフを見て、みんなで笑った。



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