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熊谷 神根苑 

いつもソニックシティーのコンサートでビデオカメラをまわしている僕と小野の共通の友人がいる。彼はふだん老人ホームで働いている。
その彼が勤める「神根苑」という場所での演奏でした。

以前にもやった事があったのだが、朝スタジオで小野とリハーサルをしながら、「いつ以来だろうね?」って話していて、びっくり。
2001年にやった以来だから4年ぶりくらいだね。
本当に月日が経つのは早いなって思った。

今回の選曲はお年寄りのいかに楽しんでもらえるかというテーマで考えた。

会場に到着して、セットをしていたら、職員の人が「お昼食べますか?」と言ってくれたので「はい!いただきます」と言った。

最近ちゃんとした食生活ではなかった。
作るのもちょっと面倒になってしまって、ついつい出来ている物を食べるが、それも飽きてきて冷凍のグリーンピースとかをもやしと一緒に炒めて食べたりしている。
そこで思った。なにかが足りない!
そうだ、こういう食生活になると足りないのは魚だ。
焼くのも時間かかるし、かと言ってスーパーにはあまり出来た焼き魚は売っていない。
「さかなが食べたいな」と最近思っていた。
そこでなんと神根苑で出された食事を見て感動した。
「サンマだ!」
大根おろしと醤油のあのバランス! 口の中でほくほくとほぐれるサンマ。
すごく美味しかった。
あまりに美味しくて、骨も全部食べてしまった。

さておなかもいっぱいになってリハーサルを開始。

14時になって会場の食堂に次ぎ次ぎに利用者の人が入ってくる。
司会の人の呼び込みで登場。
「ここにいるから」で始まった。
そして、4年ぶりです、という話しをして「みなさんの知ってる歌をやります」と言って「影を慕いて」を歌った。
昭和初期の藤山一郎さんが歌った、古賀メロディーの代表曲だ。
イントロのギターも久しぶりに弾いたがちゃんと弾けた。
歌っていると、次から次ぎへ、声が重なってくる。そうが利用者のお年寄りの人達がどんどん歌い始めたのだ。これには本当に感激した。
僕はリアルタイムでこの歌は知らない、父に教えたもらって歌いえるようになった。
でも、こうして、みんなが歌ってくれると、本当にすごい歌いだなって思えた。
そして調子にのって、藤山一郎さんの歌をもう一曲「長崎の鐘」を歌った。
「酒か涙かため息か」のリクエストが来たが、この歌も昔歌った事があるが、自信がなくて出来なかった。
そして、「さよならも言えなくて」。
最近、曲作りをやっていて、すごく煮詰まったいる時もある、作り出すと一気に数曲が誕生してしまうので、その整理を頭の中でするのがすごく大変な時がある。
たとえるなら、頭の中に誕生した、シャボン玉を壊さないように、壊れないうちに紙とペンでスケッチブックに描くような作業だ。それが色々な色のシャボン玉がいっぺんに出来てしまったら、それを混じらないようにする。
そんな曲作りの時が多かったので、こうして完成した歌を歌うと改めて「すごくいい歌だ」と再確認できる。

じっくりと歌った後は「幸せなら手をたたこう」でみんなで手をたたいたり、ほっぺたたいたりして盛り上がった。小野もベースでコード弾き(ベースのみで伴奏)をしてくれたので、僕は歌に専念出来た。

最後は「川の流れのように」を歌った。この歌は本当にいつ歌っても色々な要素がつまった名曲だと思う。
歌い終えて、すぐにアンコール。

今日は準備をしている時に誰かが三線を弾いている音が聞こえたので「涙そうそう」を歌った。そして、沖縄の夜空を思い出して、その話しをした。
自然に話しながら次に歌う歌が決まった。
「見上げてごらん夜の星を」だった。
最後は「Goodちょっとパラダイス」で盛り上がった。

するとなんとまたアンコールが来てしまった。
「ここにいるから」はもうやってしまったし、切ないバラードで終わるのもちょっと・・と思って、なにを歌うか全然出てこなかった。
そして、結果的にその場で歌う事を決めた。
「今日の気持ちを歌います」と言って「ありがとう、お元気で」という歌を作った。
今、日記を書いている時にはもう思い出せないが、なかなかの歌になった。

みんなすごくいい顔できいてくれて、本当にそれが嬉しかった。
「今度は4年も経たないうちにまた来ますね」と言って、神根苑を後にした。




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