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東海ラジオ 生出演

最近ちょっとずつ増えてきた、ラジオ出演。
今回はあまり出演が少ないAMラジオの放送。
以前AMに出演したのが、2001年に福岡のRKBラジオ(関東でいうTBS)に電話出演した以来なので、やく3年ぶり。
東海ラジオは東海地方の放送で、名古屋が中心。
ようするに出演しているものの実際には関東で聞くことができないのだ。
ラジオ局に到着して担当の方と挨拶して、パーソナリティーの方も紹介されて、放送が始まった。
お昼の放送で、「トーキョーアップサイドステーション」という番組。
「みなさんこんにちは!」と言う元気なパーソナリティーの挨拶で始まった。
「今日のゲストは以前も曲を流させていただいた、ストローのさくまひできさんです!」と紹介されて、「こんにちわ!」
お昼の番組なので明るくさわやかに進んでいった、・・・・トークの内容は「さよならも言えなくて」が実話だという内容でまたまた照れくさいテーマになってしまった。
名古屋のファンの人がもしかして聞いててくれてるかな?と思うとなんとなく恥ずかしかった、でもお昼だし、「聞きました!」なんて報告もないかな?なんて思って、実話の内容をふんだんに話した。
「名古屋の方でも、ななちゃん人形の前で歌ったりしますよ!」なんて名古屋ねたもあって、楽しく終了した。

担当の方と一緒に昼食を食べた。
さすが東京、霞ヶ関で食べるランチはおしゃれで、埼玉のいつも食べる山田うどんのかきあげそばと納豆とは違うなーと思った。

帰り道で突然電話が鳴った。
「ラジオ聞きました!」という電話だった。しかも最近一緒にステージに上がってくれている、ギターの倉川君からだった。
「なんで聞けたの?」
と聞くと、なんと彼はいまツアーでちょうど今日名古屋にいたのだ。しかも移動の車でラジオを聴いていたのだ。
なんとも恥ずかしいねたを連発してしまって照れくさかった。
実に偶然とは恐ろしいものだ。でもリアルに東海地区中に僕のトークが「さよならも言えなくて」が流れたんだという実感をした瞬間で嬉しくなった。

帰りはつい霞ヶ関ビルを探してしまった。
かつて日本一の高さを誇るビルだったビルも今では見つけようとしないと見えないんだ、と思った。
昔子供の頃、家族で池袋のサンシャイン60に出かけた。子供の僕にとっては大旅行だった。最上階に上がって、ガラスの向こうに見える景色はまるで雲の上にいるような気持ちだった。
その頃は日本で一番高いビルはサンシャイン60と教えられてきた。
そこから母が「あれが霞ヶ関ビルだよ」と言った。
きっと母の世代は高層ビル、イコール霞ヶ関ビルなのだろう。
僕にはどう見ても新宿副都心(当時は副都心)のビルの方がすごく見えた。
だから霞ヶ関ビルという言葉は知っていたが改めてみたのは今日が初めてだった。

あれから時はたって、横浜ランドマークタワーが日本一になって、次に新宿の都庁ビルが現在は日本一のビル。時代の流れを感じる。

人はいつでも上を目指すものだということが反映しているような気がする。
果たして上になにがあるのか?、もちろんそこに求めているものがあるということもあるのかもしれない。
でも、旅によくにていると思う。
旅のいきつく先はどこか、考えた事がありますか?
それは、出発したところなんです。
家から出発して、それが旅ならば、必ず帰ってくる、結局は出発して所に帰ってくる。
では、なんのために旅に出るのか?
旅の目的は出発した瞬間から生まれるのだと思う。
出発して、駅までの間に誰かにあったり、電車の中で困った人を助けたり。山の上からの景色を見て、自分をもう一度見つめなおせたり、その途中途中が旅の目的だと思う。
でも現在は上を目指す、目的地に急いで向かう、そんな傾向があるような気がする。

僕は夢に向かっている、そして今日はラジオに出演した、東海地区で放送されて誰かが僕の存在を知ってくれる、そんなことがすごく生きていて嬉しい事だ。
いつでも今を大切にして、そして通りすぎてきた道をかみ締めてこれからもがんばっていこうと思った。

あの日母が「あれが霞ヶ関ビルだよ」と教えてくれたように、いつか子供だできて、都庁の展望台からきっと僕はこう言うんだろうね「ほら、あれがサンシャイン60だよ!」
と。
でもその頃子供は、べつにすごいビルと思わないで、ドコモのビルに目がいくんだろうね。

いつか消えてゆく高さの記録を競うような人生でなく、あの日、母が言った「あれが霞ヶ関ビルだよ」という言葉のように。一生胸に残るような歌をこれからも残していきたいと僕は思った。

「もしもし」
再び倉川からの電話だった。
「どうした?」
と僕が聞くと
「さくまさん、いつか言っていた風来坊って手羽先屋、どこにあるんですか?」
何年も前に話した話題を今でも覚えていたのだ
「よく覚えてたなー」
「いやーだって、すっごくうまいって、すっごい笑顔で言ってたじゃないですか、忘れられないですよ」
僕は場所を教えて、電話を切った。

心にのこる言葉ってきっとこんなところにもあるんだな。
そう思って、改札口でちょっと笑った。


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