kumakuma-blog

吹上町 さくら祭り 鎌塚公園  さくま

最近は増えてきた地元、吹上町でのイベント。
去年も予定はあったのですが、大雨で中止だった。
今回も昨日のららぽーとの時からみんな天気予報を気にしているほど、天気予報では「雨」だった。
朝起きてすぐに外を見た・・・が曇っていた、しかも今にも降り出しそうに曇っていた。
10時の時点でイベントが色々始まるので、10時過ぎに会場の鎌塚公園に行ってみた。すると結構人もいて小雨の中盛り上がっていた。
そして結果的に演奏を予定通り行う事にして、もし演奏時間の3時にどうなっているか、そこで最終的に演奏決行か中止かを決める事にした。
スタジオで仕事をして、13時半にメンバーとスタッフが集まってきた。
外はというと、ふつうの雨。この普通の雨とは野外で演奏するには基本的に中止の範囲だが、どうしても今回は決行したかったのだ。
そして会場はスタジオから歩いていけるほど近いので、歩き組と車組で分かれていった。
カラオケ大会も終わっていて、すぐにセッティングをした。
音響機材はそこにある物を使ったので、思ったより早くセットが終わった。
その時点で2時。しかもお店の人達が数組片づけを初めている。
「このまま3時まで待ったら、きっとどのお店も片づけて、お客さんもいなくなってしまう」そんなイメージが頭をよぎった。
そこでリハーサルをフルコーラスでやった。すると曲ごとに拍手がくる。
さっきまで片づけをしていたお店の人達も商工会の人も、お客さんもみんな聞いてくれた。これはやった、思った通りだ!と思った。
2時にリハーサルと題して、本番のようなステージをしていれば3時になっても聞いてくれるだろう、そう思ったのだ。
僕の家は「仙道」(うちの実家のやきそば、フライの店)です。というとみんな驚いていた。
そんな地元ネタも織り交ぜて時間は過ぎていった。
それでも雨はいっこうにやまず、傘をさして見てくれる人もいて本当に嬉しかった。
3時なった頃にはもう8曲くらいは歌っていただろうか?
そしてそこから3曲で本番は終わった。
そしてアンコールで「HeyMrクライマー」をやった。
鎌塚公園のすぐ斜め前のお寿司や(同級生で友達がやっている店)があって、「友達が見にこない事を祈ってますよー、『さくま!なにやってるの?』って言われてしまうから」と本番中に言ったが、その友達がアンコール前になんとやって来た。
「ひさしぶりだね!」という普通の会話になってしまった。
彼も「顔、見に来たんだよ」と言った。
彼は親がお寿司屋で小学校の頃、よく泊まりに行って、お寿司をご馳走になった。
そして、高校からは彼とは会わなくなったが、色々夢があって、吹上を出たという噂も聞いたいたが、今日彼の姿を見て感動した。
すっかりお寿司屋さんの格好で、風格まであった。
同じ実家がお店をやっている人間として、かたや売れないミュージシャン、かたや親思いのあととり。なんだか、もう一つの自分の道を見ているような気もした。
確かに家業を継ぐというすばらしい夢を彼はかなえたのだが、僕はまだ夢をはっきりと叶えきってはいない。
これから出すレコード会社の先輩、井上陽水さんの「人生が二度あれば」の話を思い出した。しかも今思えば、この話を本から知ったのだが、その著者は富澤一誠さんだった。

「アンドレカンドレ」という芸名でデビューして、泣かずとばすで、福岡の実家に帰る。
陽水さんの家業はお医者で、あととりは陽水さんだった。
だが、音楽はあきらめきれない、家業に落ち着かず、日雇いの仕事をして、再出発をした。そして再デビュー、「傘がない」の大ヒットで一躍、全国で知らない人のいないくらいのアーティストになった。
そして、結果、お医者は継ぐ事が出来なっかった。
その時の事を歌ったのが「人生が二度あれば」である。
今でもこの歌を聴くと、自分と照らしあわせてしまう。

ストローもデビューが決まるまでいくつもの「なにか」を引き替えて来た気がする。

大林監督が言っていた一言も思い出した。
「人生、1つの事を一生懸命やる時間しか与えなれないんだよね」
と言った事があった。

本当に今日は色んな意味で、雨でやって良かったと思った。
この雨の地元のステージを一生忘れないし、友達が来た事で、自分がまっすぐ歌い手を目指す意気込みを与えてくれた。
デビューを目前にして一生忘れない雨のライブになったのだ。

寒い中見てくれていた人は本当に嬉しく思えた、ありがとうございます。
ステージの本数が多くなると、どうしても1つ1つにライブでの出来事を忘れてしまうものだ。
でも今日は、一生語り告げる、そんなライブだったと思う。

雨の中響き渡った「さよならも言えなくて」この歌を次にこの場所で歌う時は、駅までの行列が出来るほどになっていたいです。なんて冗談も言った。
それは完全な冗談ではなく、自分の耳に入れる事で、イメージになる、目標になるのだ。
その時にまた、友達に見に来てほしいな。

その時こそ、この人生で良かったんだ! そうはっきり笑える日なのだと思う。

この夜、一人で羽生の華の湯という、お風呂に行った。
露天風呂で空を見たら、昼間の雨もやんで、真っ暗な夜の空の切れ間に、一つだけ星が見えた。
「明日は晴れるかな?」
湯気の中、今日のステージを思い出して、ひとり言をつぶやいてみた。


"
< 前の記事    一覧へ    後の記事 >