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10.12.24 イブの夜に君と・・・ クレアこうのす小ホール



昨年のクリスマスはさくまひできとミュージックフレンズというイベントをやったんですよね~
あれから一年、早いですね。

今回もそのイベントをやろうかなという考えもあったのですが、
日程はクリスマスイブの当日・・・・
これは出演ミュージシャンも大忙しの時期と思って、今回は一人でやる事を決めたのが
今年の夏頃でした。

予定だけはとりあえず押さえて、あとはなにをやろうか?
という話。

日程だけが迫ってきた秋の頃
舞台関係で大変お世話になっている方からの提案で
さくまひできの違った一面を見てほしいよね・・・という事で
「お芝居風にやってみるっていうのはどう?」という話をされました。

以前からストーリーを作るのは大好きだし
自分で作った物語を朗読をして、そこに歌を添えて行くという「トークストーリー劇場」というのは何度かやった事があった。
なので、久しぶりにそれをやろうと思ったのです。

舞台も簡単なセットがあって・・・という話が進んで行くと
どんどんと頭の中のイメージがわき上がってきた。

そして、11月の中旬頃、やっと筆が走った(実際には筆ではなくノートと鉛筆ですが)でもなかなか出て来ない、イメージのようなものがあるのだが、つじつまのあった流れにならないのです。

そこで何日か頭の中での会議があり
見えてきたのが、「天使」という言葉
クリスマスイブの夜に天使・・・・これはぴったりだが
天使は実際に見ることが出来ない、ではどうしたら見えるのか?
そうだ、記憶が残らなければいのか、
実際いたのに、記憶がなくなるから、みんな天使を見たことがないと思う。
だったらなぜ天使は現れるのか、なにをしにやってくるのか?

それは人に幸せを運んでくる、どんな幸せか?
色々と考えているうちに、何日も過ぎて
箇条書きのような大まかなストーリーができた。

では、記憶がなくなってしまうって事は、とても最後は寂しい終わりになってしまう。
そこで、記憶が消えたのか?実は強烈な愛だった為に覚えていたのか?
その辺の微妙な心情を表現したかったのが、ラストの一言です。
「この作品は僕に愛するという気持ちの大切さを教えてくれた・・・天使を撮影したものです」なのだ。

確かにラストシーンでは記憶が消えたように思えたはず
だが、その後に書いたはずのコメントには、しっかりと天使を撮影した・・と書いている。

これはヒロキのなんとなくのイメージで書いたともとれる
もしかして、うっすらと記憶があるようにも思える
ただはっきりと記憶があると、これから一緒になるユウコに失礼な心になってしまう・・・
またこの辺もあって、絶妙な表現をもっていったのだ。

あと考えられるのは、ホノカが天使の掟の一つ、人を愛してはいけないという事を
守れなかった事によって、わずかな記憶だけは残してしまったのかも・・・

色々と書いてますが、その答えは、見ていただいた方の心次第です。

そんな100人だったら、100人の答えを持って帰ってほしかったという僕の考えも
最後の一言なんです。

この日記、この日のステージを見てない人には
なるでなにを言っているのかわからない感じで、すいません。

小説が完成して、今度は、朗読。

そこになんの歌が登場するかを考えて、流れを作ったのですが
またまた最後の歌が選べないんです。
どの歌も、今までの僕の歌では表せないんです。

どうしよう・・・?

また考えて、出した答えが、なんと僕が一番夢見ていた事。
そう!映画のエンディングの歌。

映画って、ラストシーンで感動した所に、歌が流れてくると
最高ですよね!
あの歌をいつか担当したいってずっと思っていたのです。

そうか!自分でこの物語のエンディングの歌を作ればいいんだ!

そして、作ったのが「イブの夜に君と」
最初はやっぱりアカペラで入りたくて、そうしました。

このタイトルいいな~って思って
コンサートタイトルだったのですが、それを主題歌にしたらいいな~って
そして、あれ?
もしかして、この物語も「イブの夜に君と・・」にしたらはまるかも?
そして、ラストシーンの写真も「イブの夜に君と・・・」・・・
キセキがおきました。

イブの夜に君と・・・ってコンサートタイトルは
ただなんとなく付けていたのですが、
すべてがこのタイトルになぞられていたのです!!

そして完成したストーリー。
あとは朗読を練習・・・と思ったのですが

「新しいさくまひできを見てほしい」という言葉がまたひっかかった。
朗読では今までどおり。
なので、
演技もしてみる事に・・・
だが、本を持っていたは、どうしてもなりきれない。

「暗記か・・・」

どんよりと、重たいものがのしかかってきました。
暗記をすれば、すべて演技が出来る。ただ
こんなに長い物語、90分もある物語をどこかで忘れたら・・・・・
想像するだけでもゾーッとする。

全部が台無しになってしまう。

どっちをとるか。

すべてが流れて行くように、朗読をする形式をとるか
最高で最大の表現をする為に、全部暗記するか・・・・

僕の挑戦魂に火がついた
「暗記しよう」

それから毎日台本を持ち歩いて、楽屋や車の中や
どこでも台詞とナレーションの練習。

どこかが抜けたら、全部のつじつまが合わなくなる。

必死で暗記しました。

そして、動きの練習もした。
ベンチとガス灯のイメージ、そして海の防波堤やファミリーレストランの場面・・・
最小限のセットで、どれだけ表現できるかもねらいだった。

内容が秋から冬だったので、最後はより雪の寒いシーンを演出できるように
岐阜FMの帰りに、山梨の真夜中のサービスエリアのはじっこで
通しリハーサルもやった。

ようするに「これなら読まないでいける!」と確信できたのは
はずか本番の2日前だった。

その後はピアノが入るポイントや、効果音の編集。

その間にもちろん第1部のリハーサルもやった。

結果、熱が出た・・・
20日の週は、常に悪寒がする状態が続き、でも薬を飲み続けて練習やラジオ出演でした。

「倒れたら、朗読だ・・・」というのが自分の心の中にあって
なんとか稽古を続けました。

なんだかここまでのいきさつばかり書いてますね。

さて、当日です。

前日からスタッフの方が準備してくださっていたので、スムーズでした。

舞台も出来て、その場所での動きも練習できました。
ピアノの小島智宏くんとバイオリンの古西芽衣さんも到着
第1部の隆成も来て、
にぎやかになって行く。

通りリハーサルをやって
みると、なんと予定では70分くらいだったのですが
なんと90分。

なんでかな?
そうだ、思いを入れてお芝居をするので、その分が長くなるのだ。

これでは長すぎる・・・
そう思って、当初もっと曲数の多かった第1部を削る事にした。

削った曲はまた後日、隆成もいれて、披露できるように心がけます。

そしていよいよ本番になった。
客席からきよしこの夜を歌って登場。
そしてCPで何曲がやった
「サヨナラの予感」は実はギターでやる予定だったのですが、選曲変更の為
CPでやる事が本番直前に決まったのです。







4曲だけでしたが、1部が終わり。
いよいよ2部。

オープニングのピアノバイオリンがはじまった。



サングラスもなしで、黒髪でのお芝居でした。

問題は最後のシーンでした。
ホノカが消えて行く場面。

ここは本当の涙の演出だったのです。
でも、台本を何度も読んでいるので、涙もなかなか流れないのですが
この時だけは、本気の涙で演出が出来ました。

最後は雪も降って盛大に舞台が終わりました。

本当に最高の時間でした。
「こんなさくまひできもいいね」って思っていただけたのでしたが
来年からこの時期は、毎回、新たな物語を作って、やって行きたいと思ってます。

クレアの方も
「90分のお芝居を一人でやる人ってはじめて見たね」と言ってました。
今回照明さんは実はものすごく芝居に慣れている方でした。
舞台監督さんもばっちりのタイミング、
すべてのスタッフの方がいて、今回は大成功できました。

もちろんミュージシャンの小島くんと古西さんも
この物語を何倍も大きくしてくれました。

なにしろ、クリスマスイブの日に見に来てくださった方と一緒に過ごせて
本当に幸せでした。

僕にとっては一生忘れない想い出です。
みなさんにとっても、一生忘れない想い出と思っていただけていたら
こんなうれしい事はありません。

本当にありがとうございました。


(RYTHEMさんからお花いただきました)

(リハーサル)









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