初めての会場、本川越のぺぺですが、実は2年前と3年前の夏に、ぺぺの野外でやっていた、ビアガーデンに出演した事があって、なにかと御世話になっている場所です。
今回のキャンペーンのお話をもって行った時も、快く引き受けていただけました。
地下1階から3階までの吹き抜けの場所で、音がよく響きました。
1回目のステージが終わって、社員休憩室で休んでいると、携帯電話でなにやら話しをしている人がいて「いいよー!甘い声ですごくいい感じだよ、次は3時からだから見においでよ」と誰かを誘っている電話でした。
僕は嬉しくて、会釈をすると、その人も普通に会釈をしてくれました。
そうです、サングラスはもうはずしていたし、衣装も着替えていたので、「さくまひでき」という事に気がつかなかったのですね。(笑)
2回目のステージは途中でモノマネをやったりして盛り上がりました。
しかも予定になかった「僕が僕でいられた日」まで歌ってしまいました。
アンコールの時の事。
会場のすぐ前で、カワイ楽器さんがピアノの販売をしていたので、グランドピアノがあったのです、
「最後にピアノで歌いましょうか?」と言って大きな拍手。
カワイ楽器の方も快くOKしてくれて、グランドピアノで歌おうをしたのですが、お客さんが、僕の背中を見る感じになってしまうので、
「これはちょっと歌いにくいなー」と言って、お客さんに「自由な場所で見てください」と言うと、ピアノを囲むように見てくれました。
近くにいる人は本当にすぐ近くで、緊張しましたが、精一杯「さよならも言えなくて」を歌いました。
最後は涙を流してくれる方もいて、僕の方が感激しました。
「こんな思いで聞いてくれる」「そんな気持ちで聞いてくれる」
歌という形のないもので、人の心が変わっていく、
本当に歌い手になってよかったと思える瞬間です。
きっとこの世の中で、一番大切なものは、目に見えないもの、形のないものなのでしょうね。
そして作ろうと思っても作れないもの、買おうと思っても買えないものなのでしょうね。
だから人はいつでも、それをさがして一生懸命、生きている。
見つけにくいものだけど、手探りで生きている。
そして、ふとした瞬間に、そのほんのかけらの光が、見つかった時、人は涙を流すのでしょうね。
これからも、その形なき大切な歌を
歌い続けていきます。
今日、お客さんに感動していただいた以上の感動を
僕はもらえたような気がします。
本当にありがとうございました。
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