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22~24カ所目、松伏記念公園、吉川駅、三郷駅

もう梅雨に入ったのかな?って思うくらい最近晴れないですねぇ。
今日も曇り空、でも雨ではなかったのでよかったです。

松伏記念公園で歌い出すと、自転車に乗った子供達が集まってきました。
車で一休みしていたサラリーマンの方も車から降りてきて、聞いてくれました。
「営業の途中でしたが、また後半の仕事もがんばれそうです」と言ってCDを買って行ってくれました。

吉川駅は6時から、時間が空いたので、川沿いのコンビニで休憩。

前回90カ所の時も、ここで休憩して、吉川駅までは一本道だから、すぐに到着すると思って、渋滞で遅刻したんです。
人間、学習しなくてはいけませんね。
今回は早く出たつもりですが、やっぱりちょっと遅刻してしまいました、本当にすいません。

歌いはじめる時はほとんど聞いてくれる人がいなかったのですが、電車が来て、人が降りるたびにぞくぞくと集まってきました。
学校帰りの中学生も最初から最後まで聞いていてくれて、最後はノートに「サインしてください」と言ってきて、快くサインをしました。

今日の最後は三郷駅。
最初はベンチに座っていた小学生の男の子と妹さんが、2曲目くらいから前の方に来てくれました。最後の「ただ見つめてただけの初恋」の時は、チラシの裏に書いてある歌詞をまじまじと見ながら二人とも聞いてくれて、嬉しかったです。

子供には「ただ見つめてただけの初恋」の歌詞はわからないし、伝わりにくいと固定観念があった自分が情けなくなりました。
そう思えば、僕が小学校の時に好きだった歌、もちろん友達も含めて「いい歌」と思って聞いていたのは、松任谷由実さんの「守ってあげたい」だったり、西田敏行さんの「もしもピアノが弾けたなら」だったり、寺尾聡さんの「ルビーの指輪」だった。
極端に言えば、幼稚園の時に好きだった歌は、不倫をテーマにした沢田研二さんの「LOVE抱きしめたい」ですからね(笑)。
恋愛した事がなくても、ちゃんと「いい歌」は伝わるのだと改めて実感した出来事でした。

片付けをしていて、ふと横を見ると、派出所の前でおまわりさんが、じっとこっちを見ていた。もちろん注意する様子もなくただ見ていた。
「あのおまわりさんも、「いい歌だな」って思って聞いてくれていたら嬉しいですね。
・・・でもお仕事だからそんな事はないかな。涙こぼしてたりしたら嬉しいんですけどね(笑)。

今までは「ここで歌って大丈夫かな?」とか不安もあったけれど、考え方を変えてみると、「みんな人間だから、みんなの心に伝えたい」そう思えるようになってきました。
もちろん迷惑はかけないように十分気を付けてこれからもがんばっていきます。

小学生の兄妹が帰った後、スタッフが急に「あのお子さんはもう帰っちゃったかな?」と言ってCDを持って走り回っていた。
「子供だけじゃ、買いたくても買えないんだから、プレゼントしようと思って」
もちろん僕も大賛成だった。
みんなが平等に1050円で手にしてくれるのが当たり前と思っていますが、僕としては聞いてほしいという気持ちの方が大きかった。
ちゃんとお金を払って買ってくださる方には本当に申し訳ない事ですが、この気持ちに免じて許していただきたい考え方でした。

僕も昔、レコード屋によく出掛けた、もちろん欲しいレコードがあったからだったが、お店を出る時は買い物袋は手にしていない、そんな毎日を送っていた。
「この曲、よくラジオで流れる歌だ」とか「こういうジャケットなんだ、この歌」とか思いながら、しばらくレコード屋を眺めて、口ずさみながら帰ってゆく日々があった。
やっとたまったお金で買いに行った時にはもう売り切れていたりして、悲しい思いをした事もあった。

一枚のチラシを大事に手にして帰っていった、あの二人は、結局見つからなくてCDをプレゼントする事は出来なかったが、その後ろ姿はしっかりと、歌い手、さくまひできの心には残っている。

あの二人の心に残った「ただ見つめてただけの初恋」をまた生で聞きにきてくれる機会があった時には、僕は心から二人に告げたい
「ありがとう」と。





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