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さいたま市民会館 アコースティックコンサート さくま

数日前からの夏日も、少し穏やかになってさわやかな日。
初のアコースティックワンマンコンサートだった。
12時過ぎに会場に到着。すでに音響&制作の黒沢さんチームの来ていて、すぐに機材をおろした。
ここの搬入口はかなり急な階段で機材搬入だけでも汗だくになった。
セットをして3時からリハーサル開始。
コンサートの流れを入念に打ち合わせた。
今回は事前リハーサルもたくさんやっていてバッチリの気持ちだった。
そうそう、22日はなんと日本武道館でリハーサルをした。
・・と言ってもその駐車場だけど(笑)
ラジオ(FM79.5ミュージックチャレンジャー)の収録が終わって、その後TOKYOFMの中のコミュニティーラジオで生放送出演があった、その時間が夜の10時でそれまで時間があったので、車の中で練習しようという事になったのだ。
かと言って、東京のど真ん中で車の中で練習していたら不審に思われるので、どこかの駐車場はないかな?と探していて、そこに落ち着いたのだ。
この日、武道館は森山良子さん佐野元春さん松任谷由美さん大貫妙子さん今井美樹さんチャーさん、といった大物アーティストが出演しているイベントをやっていた。
僕らは車で練習している3時頃には誰もいなかった武道館周辺も、夕方になったらすっごい人になってきた。
「武道館でやれるようになりたいね」と小野がつぶやいた。僕は「まだまだ無縁の場所だよね」と言って笑った。
そして、夜9時頃ラジオの担当者(フォーライフの人)に電話したら、なんとその人武道館にいて、関係者で入っていたそうです。確かに今井美樹さんってフォーライフですものねー。
そして、すぐに出てきて一緒にラジオ局まで言った。
「無縁の場所」と言っていた場所がなんだかすごく近くに感じた。
そんな出来事があった。

話しが反れてしまったけれど、そんな事で練習はたっぷりやっていた。
5時半にお客さんが入ってきた。そして緊張したのが影アナ(本番前のアナウンス)。
これを僕がやった。台本もなくてうまくしゃべれなくて舞台裏では大慌てだった。
6時。無事にコンサートが始まった。
一曲目からバラードでThankyou&Goodbye obedientloveと続いた。
そして砂漠のオアシス、少年。
この2曲はチャーリーのギターが聴かせ所だった。
そして新曲で縁側の唄。
家族旅行、と続いた。
そして次は僕の弾き語りのコーナーなのに、小野とチャーリーはステージにいた。
段取りを忘れてしまっていたのだ。これには会場もうけていた。
そして長距離フェリー、チャーリーのソロでラブイズオーバー、小野のソロでボーイフレンド(aiko)と続いた。
次のYUMEしかなかったではお客さんにもタンブリンや鈴を手伝ってもらって、ステージに上がってもらって盛り上がった。
ステージ場がにぎやかになって僕らも楽しかった。
そして今回の見せ場「トークストーリー劇場」これはストローの曲を4曲織り交ぜて物語を読んでいく内容。
これも何度も練習したが、やっぱり本番は色々台詞が変わって、ステージ上の僕らも本気で大爆笑してしまうシーンもあった。
そのコーナーではありがとう、curariラストシーン さよならはプロローグを演奏した。次のGoodちょっとパラダイスでは熊のぬいぐるみを僕があやつって踊った。
あの熊数日前に買ってきて、ずっとスタジオにあった。だからすごく愛着があって、あげるのはもったいなかったが、それを受け取った小さな女の子が大切そうに抱きかかえているのを見て、「よかったないいご主人が見つかって」って勝手の思っていた。
そしていよいよ デビュー後初の「さよならも言えなくて」
普段やり慣れてはいるが、この日は特に気持ちが違った。
この歌が僕らのデビュー曲だ。とかみしめていたら、色々な想い出が浮かんできた。
ツアーで毎日車で寝ていた事、寒い雪の中演奏した平塚、グランプリをとった柏、大宮駅のストリート。僕の想い出を振り返ると必ずストローだった。自分がリーダーでやっているバンドだが、なんだかストローというものを、ストローという物体が、僕をいつも支えていた気がする。
さよならも言えなくてを歌い終えた時に、この歌を一生歌い続けようと思った。
最後はChangeMyHeartで終わった。
アンコールの拍手がすごく暖かく感じた。
そして「元気」で後ろからの登場だった。その途中、ストローマークの看板が舞台に下りてくる。この大きなストローマークも普段舞台監督をやっている黒沢さんが、お願いした訳でもないのに、必死でこの日に間に合わせるように作ってきてくれた。
コンサートで言い忘れてしまった大切な事を今言いたい。「僕ら以外の今日一緒にがんばってくれている仲間達にも盛大な拍手を」
そして、いつもコンサートで最後のトークの時には2つの思いがこみ上げてくる。
一つは「今まで練習したこのコンサートもあと1曲で終わりだ」という安心感。そしてもう一つは、「あと1曲で終わってしまう、こんな楽しい時間が、みに来てくれた人と一緒にいられる時間が、あと1曲で終わってしまう」という寂しい気持ちになる。
この日は特にとう思った。そして僕らの気持ちです。そう言って「ここにいるから」を歌った。
最後の「ここにいるから」というリフレインは歌っている、というよりも、心から本当に出ているという気持ちだった。

ここにいるから、確かに応援してくれる人とストローは一緒にいるわけではない、だからここにいるから、という言葉は嘘になってしまう。
けれど、形がとなりにある事が「ここにいる」という事にはつながらないと思う。
離れていても、僕らはいつでもこの歌をお客さんに聴いてほしい、このライブを見てほしい、このテレビを見てほしい、等の気持ちで、すべての活動の先にお客さんがいる。
そしてその人が、ストローのCD聞いたり、ストローの歌を思い出したりする。
その時に「ここにいる」という言葉が真実になる。
これからも応援してくれる人が「ここにいる」と思いながら、がんばって行こうと思います。

10時、すべての機材の積み込みが終わった。
「寒いねー」
だれかがつぶやいた。
さっきまで汗をかいていたのに、今は肌寒く感じる。
きっと一つのコンサートをみんなで目指している、その時はすごいエネルギーで心まで熱くなっている。
そして一つのコンサートが終わると、確かな満足感と少しの寂しさが残る。
確かにさいたま市民会館の外は寒かったかもしれないが、きっと心の寂しさもそこにあったのだろう。

みんな集まって最後の挨拶をした。
「きょうはお疲れさまでした。さー!次は6月13日の大宮ソニックシティーです!がんばっていきましょう」
みんなの目がまた熱くなってくるように見えた。
きっと僕らの仕事は一つの目標があって、一つ終わる寂しさを一瞬だけ感じて、次の目標の方向を向き始める。

6月13日。今日よりも熱い日になることだろう。
走り始めた満載の車の重みの中に、夢の重さも入っている事を、
なんとなく気付いた帰り道だった。 

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