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大林宣彦監督「なごり雪」特別公演(愛知県勤労会館)

とんとん拍子で決まった、今回の大林宣彦監督の「なごり雪」特別公演の出演。
いきさつは、僕らが普段演奏ナンバーに「なごり雪」を選曲している事から始まった。
その僕らが歌っている「なごり雪」を監督さんに聞いていただける機会があって、決まったお話だった。
夕べのうちから、車で埼玉を出発した、正式には志木の「ゴンザカフェ」を終わって、そのまま出てきたのだ。
10時半ころ、関越道の所沢インターに入った。予定では深夜3時に着くように、目標を持っていたが、到着したのは4時をすぎていた。
ホテルに入って、すぐに寝て、朝は11時に起きた。
この話のつながるきっかけになった、青山さんと朝ホテルで会った。彼も今朝埼玉からやってきた。そして、大映角川映画の営業の方を紹介された。ぞくぞくと凄い人に出会った。朝から緊張していた。13時に会場の愛知県勤労会館に集合だった。
そして搬入口で共演のスーパーホモンキーズ(現 ピンクフラミンゴ)さんに会った。以前テレビで見た事もあって、おかまさんですっごく楽しかった。
そして楽屋に通された。普段なれていない、ストローだけの楽屋だった。
映画のチェックをしていて、その後リハーサルだった。今回は2曲「なごり雪」「泣く前」(監督作詞)を歌う予定だ。
そでで準備をしていると、営業の方が「ストロー、紹介しますね」と言って、ステージの中につれていかれた。そこに、大林監督がいらっしゃた。営業の方が「ストローのみなさんです」と言うと、監督さんもすぐに笑顔で「遠いのによく来てくれました」と言って、監督の方から握手の手を差し延べてくれた。すっごく感動だった。
僕は本当に監督さんのファンで、レンタルに行って映画借りる時も、「大林宣彦のコーナー」を見る、「時をかける少女」はもちろん、「あした」「ふたり」「漂流教室」「野ゆき山ゆき海べゆき」「タイムリープ」「あの夏の日」「マヌケ先生」「彼のオートバイ彼女の島」「はるかノスタルジー」「さびしんぼう」「転校生」その他、大好きな映画が沢山ある。その監督に会えて、本当に嬉しかった。すごくきさくな方で、笑顔が素敵な監督さん、という第一印象だった。しかも「今日はなにを歌ってくれるのかな?なごり雪と、・・・泣く前も練習してくてくれたんだっけ?」と聞かれて、「はい、やります!」と答えて、「はい、やらせていただきます」と言い直したら、笑顔になって、「では、一緒にやろうか」と言った。僕は自分で歌うものとばっかり思っていたが、なんと監督さんと一緒に歌う事になってますます、嬉しいやら、緊張やらで大変だった。そして、その次に一言「それと、自分達の持ち歌を1つ、やってもらえるかな?」と言われた。自分達の歌なんてできないと思っていたが、なんと監督さんは、その3曲をやろうと提案してくれた。1曲目「なごり雪」2曲目「さよならも言えなくて」3曲目「泣く前」だ。
そして、次に監督自らに、大林恭子さん(奥様)を紹介された。そして、監督さんが「ちゅんとひとりづつ名前を教えて」と言ってくれた時は嬉しかった。そして、名前を書いて渡した。リハーサルになった。セットをして、音のチェックもして、なごり雪をやった。リハーサルなのに歌い終えると、拍手まで出た。これには嬉しかった。
そして、音のバランスも大丈夫なので、「もう、大丈夫です」と言うと。監督は「せっ
かくだから全部やろうよ」と言ってくれて、3曲ともリハーサルをした。
監督さんと一緒に歌う、「泣く前」は、僕が泣く前になっちゃいそうだった。
でも、不思議なもので、この頃にはもう、気持ちもとけ込んで、同じ音楽を奏でる事で、緊張感がなにか、あったかい心地よさに変わっていった。
そして、その後は、エンディングで、ピンクフラミンゴさんもふまえて、主演の細山田さんも入って、監督はピアノを弾いて、みんなでなごり雪をやった。間奏がちょっと合わなくて、監督さんのピアノの横に行って、一緒に確認した。
そして、楽屋に帰って、時間を待った。
18時開場の18時半開演、始めはピンクフラミンゴさんの歌とトークで幕が開いた。
僕らは直前まで、ステージそでにいて、監督さんやピンクフラミンゴさんと一緒に色々お話をしていた。監督が「上映中はどうしてる?」と聞かれたので、「もちろん見てます」と答えた。僕らは二階で「なごり雪」を鑑賞した。
はじめに伊勢正三(なごり雪の作詞作曲)さんが歌ってる所から始まる。
そして、・・・・内容を言ってしまうと、これから見る人をがっかりさせてしまうので、伏せておきましょう。
感想は、もう! 大林ワールド、って感じで、ストーリーもいいし、ロケーションもいいし、甘く切ない物語。これは僕の歌のテーマと共感できるものがある。
なにしろ、感動だった。メンバーもみんなで、涙こらえていたくらい。しかも、上映後すぐに、セッティングで、二階席から、ステージそでまで、感動のあまりに、だれも何も口にしなかった。
そして、監督さんがステージに出て、講演が始まった。そして、そのうちにセットして。紹介を待った。 この時間がすっごく長く感じたが、監督さんの話を聞いていると、聞き入ってしまって、緊張感がほぐれた。
そして、「なごり雪を自分達のステージの選曲に入れている、という、グループを紹介しましょう、ストローの三人です」そして、僕らはステージへ出ていった。
そして、監督さんと話をして、一曲目の「なごり雪」が始まった。
この後は話が入って、二曲目なのか、そのままなのか、打ち合わせしていなかった。と、さすが監督さん、なごり雪を歌い終えると、すぐに出てきて、僕とまた話しをした。そして僕らのテーマを話して、「人の優しさをテーマにしてます」と言って。では、その持ち歌を、一曲お願いします。と言われて、「さよならも言えなくて」に入った。なんとも自然なトークの流れだった。その時言った、監督さんの言葉もよかった。
「映画のスクリーンって変でしょう?四角くて、真っ白でなにもない、自然の中で、このような景色っていうのは、存在しないでしょう? では、それは何を意味するか、それは、自然を作った、神さまが、人間に、この真っ白で四角なかに、神さまが作ったような、すばらしい景色を、人を感動させられる物を、作ってみなさい、って事なんですよ」思わず僕は「音楽も一緒ですね」と言ってしまった。
そして、三曲目は監督さんと主演の細山田さんと「泣く前」を歌った。
そしてエンディング、みんなステージに上がって、しかも長沢純さんも登場して、にぎやかな「なごり雪」になった。最後はステージ上で、監督さんが、出演者みんなに手と手をぶつけてくれて、最高のステージだった。
片づけをして、打ち上げ会場に行った。もう監督さんは、飲んでいて、御機嫌だった。関係者の方もたくさんいて、細山田さんもいて、30人くらいになった。
僕らが行くと、営業の方が「ストロー組到着です」と言って、拍手喝采で、監督さん自ら、「はいはい、グラス持って」と言って、ビールをついでくれた。恐縮で、手が震えそうだった。 そして、なんと監督さんの横に座ってしまって、色々話をしてくれた。食べ物がなくなると、すぐに気を使ってくれたり、普段はどんな活動なの?とか、あとはたくさんのアドバイスを聞かせてもらえた。宝ものの様な時間だった。
そして一時半くらいまで、飲んでいて、最後の閉めで、監督さんがこう言った。
「今日はこうして、いろんな所から、同じ場所に集まって、こうして、出会えて話ができて、一つの事が出来たことが、すごく嬉しく思います。そして、また会えたね、って言える日がくるといいねー」。
そして、僕らは、僕らのクセで全ての人を見送って、最後に、ホテルに帰った。
今まで、監督さんの映画を見ていて、なぜ僕がこんなに感動するのか?ひかれるのか?そして優しいのか? その事がほんのちょっとかもしれないけど、わかった気がする。
監督さんの映画は、作品というより、監督そのもの、監督の心をあの白い四角い布に映しているのだと思った。僕もこれから作る音楽は、僕の心を映せるような、そんな歌を作って、歌っていきたいと思った。
大林宣彦監督、ずっと好きだった監督が、もっともっと好きになった。
そして、打ち上げの最後に、長沢純さん(アーティスト)が、監督の前で、僕の目を見て言った言葉、その言葉を胸にしっかり入れて、がんばろうと思った。最高の一日でした。「有名人と一流人は、違うんだよ。・・・一流人になりなさい。」

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