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17.8.5 熊スポ夜音祭  熊谷ドーム 陸上競技場



2016年の6月からはじまった「ますかっと」全国47都道府県キャンペーンの15か所目は
福島県、奥会津の金山町沼沢湖水まつりでのステージです。
昨年に続いて今年も呼んでいただきました、ありがたいです。



わが街鴻巣との姉妹都市でもある金山町でのステージ。
しかも今年はこのお祭りのメインイベント「大蛇退治」の演舞の主役を務めさせていただきました。
かつてこの町に大蛇がすみつき、人々を苦しめたという伝説。
そこへ佐原十郎義連が大蛇を退治したというお芝居です。

熊谷ドームでのステージを終えた夜
少しの仮眠をして、福島へ午前3時に出発
サービスエリアでさっくまTVを撮影したりして
予定よりも1時間以上早く沼沢湖に到着。
早い分にはいいですよね。

散策しいると金山町の方やイベント会社の方が早朝から準備をしていて
ご挨拶。
そして演舞のリハーサル。
リハーサルと言っても簡単は場当たりだけで、本当にすぐに終わってしまい
ちゃんと出来るか不安でいっぱいでした。
弓矢のシーンも矢は使わず、舟で湖に出るシーンもリハなり
刀さえ抜かないので、本番大丈夫かなって心配でした。
その後、歌のリハーサルをして
まずはライブ。





沢山の方が見に来てくださって
ステージ前からも、遠くの方からも拍手が聞こえてきて
本当に嬉しかったです。
途中で鴻巣のキャラクターひなちゃんと、金山のキャラクターかぼまるが登場してくれて
盛り上がりました。





最後は広島原爆の8月6日という事もあって
「命」を歌いました。
福島金山も東日本大震災の影響を沢山うけた街です
ここで「命」を歌うのは本当に熱いものがあります。
71年前の夏ときっと同じような青い空
違うのは湖で湖水浴を楽しんでいるファミリーがいるという
景色。平和でいられるという事は
なによりもかけがえのないものです。



歌のステージを終えて、すぐに着付けへ
冷房もないお部屋で甲冑に着替えましたが
この衣装は本当に映画や舞台で使っている衣装屋さんが来てきるので
本物中の本物・・・
もしかして、ラストサムライで渡辺謙さんが着ていたやつかも?
着付けの方も3人がかりです。



ずっしりと肩に食い込む甲冑を着て、時間までの1時間半待機
最初は楽しくて刀を抜いたり、写真を撮ったりしていましたが
だんだんと暑さにやられて、ぐったりしてしまいました。
地元の高校生さんが役者で来ているのですが、みんなも
暑そうでしが、ここでお話をしてみんな仲良くなりました。


(ゆるんでいる紐を直してあげてます)

さていよいよ2日間におよぶお祭りのメイン「大蛇退治」です。
40年以上続くこの伝統の演舞の主役として
一気に緊張感が高まります。

入場行進をしてステージへ
最初の難関は弓矢のシーンです
一度も弓をうつ練習もなく本番・・・
そして一気に矢を放つと・・・あれ?
ポロッと下に落ちてしまい失敗。
音声は「ピュー!!」と出ているので、変な感じ。
でももう一回チャンスはあります。
次の矢を持った時、思い出しのです
いつかレジャー施設でやったアーチェリーの事を
「矢を持つのではなく、弓を人差し指と中指にひっかけて引っ張るんです」
まるであしたのジョーの丹下ダンペイのおっつんがハガキで教えてくれたようなイメージが
頭の中でよみがえってきて、「そうだ!!」
そのやり方で矢を放つと、すごい勢いで飛んで行きました。
これには何千人ものお客様の盛大な拍手がわき上がりました。
殿様の役ですから、終始りんとしているのですが、心の中で「ホッ」としか瞬間でした。



お芝居は進み、いよいよ湖へ
そして大蛇に飛び移り刀を振り回す
ここでも音声にあわせて刀を振り回すのですが
剣をかかげている時に
いきなり「シャキーン!」という音がすると「あっ!今か」って感じで
あせりますね(笑)



大蛇に一度飲まれてしまうシーンがあるのですが
ここは大蛇の影に隠れて、身を伏せます。
顔面が水面ギリギリになるほど隠れて、再び腹をかっさばいて登場
この流れ、すべてキュー(きっかけの合図)もなく、自分で音を聞きながらやるのですが
また舟で湖に出ている時はステージの音が聞き取りにくくて、ほとんどカンでした。

ステージへ戻る時に裏方さんが「先に殿様がステージついちゃうよ」っていう声が聞こえました。
部下のものと同時か部下の方が先にステージへ戻る段取りなのに
僕の舟が先に岸についてしまった。
でも、ダラダラしていてもお芝居になりませんので
きりっとステージへ戻って
一人になった時に、思い出したのです。
着付けを終えてはしゃいでいる時に
ふところに扇子があった事を
「そうだ!!」
段取りにはないのですが、扇子を抜き
パッ!と広げて、ゆっくりと扇ぎはじめました。
これによりただ立ってまっているのではなく、戦いを終えた殿様の姿を
演じました。

役30分の演舞が終わり、退場の時は
沿道からものすごい拍手をいただきました。
嬉しかった~
役者もいいな~なんて思ってしまいました。
もちろん、本当のその世界は甘いもんじゃないですけどね。



着替えをすませて
全国キャンペーンの地図を塗り
無事に一日の予定が終了しました。
各地から集まって見に来てくださった方、そして地元の方々に支えられて
本当に素晴らしい経験をさせていただいた一日でした。



このお芝居の好きな所は
最後に「大蛇を大切に葬ってやるように!」という殿様のセリフがあります。
そして大蛇よ、これからはこの町の守り神になり、みんなを見守ってくれ
という所。
僕は元々すべてのものに善と悪はないと思うんです。
ようはどちらから見るかによってそれは変わる。
カエルから見たら蛇は悪、でも昆虫から見たらカエルが悪。
味方から見れば敵は当然悪ですが、そっちの味方から見れば
こっちが悪。どっちの角度から見るかだけなんです。
ケンカもそうですよね。自分が正しいと思っていれば、相手は間違っている
でも、相手から見て、「なにを間違った考えをしているんだ」と思う。
人を沢山殺して国の為に戦った事が善ならば、殺された人の家族や愛する人から見たら
相手はそうとうな悪人だろう。

平和が訪れるには
お互いがお互いの事を思い遣る事からはじまると思うんです。
認め合う事。それには少しずつ考えを譲り合う事。
そうとう難しい事かもしれないけど
いつか人も動物も空も海も花も木もみんなが平和な時代がくる事を
願っています。

帰りはした道で帰ってみたのですが
すばらしい景色が広がっていて
福島はいいな~って思いました。

ふと、空を見ると
一筋の雲の形が大蛇に見えてきました。
「きっといまでも、この街の人を支える みんなの守り神なんだね」
と心でつぶやいてみた。

真夏の夕暮れ空が
どこまでも広がる
帰り道でした。


















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