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07.12/30 アスナル金山(本文)



今年はハートランドで2回、アスナル金山で3回のステージをやらせていただきました。最初は「名古屋ってどんな感じだろう?」そんな不安がいっぱいでした。

以前には駅前やCDショップや、ライブハウスでやってはいたのですが、

だいぶご無沙汰でしたからね。

でも毎回やるにつれて、気持ちも馴染んできて、今日はすっかり歌いなれたステージに出かけるような気持ちでした。



共演の大島圭太さんとも再会できて、またまた気持ちはリラックス。

名古屋のすごさってここですよね、共演の方がとっても仲良くしてくれるんですよね。

大島さんが「さくまさんがくると、大御所がきた感じがするんですけど、もう活動は長いんですか?」と言うので、

「もう10年以上はやってますね~」

と言うと

「おいくつなんですか?」

「36です」

「僕より2つ先輩や!」

という会話が進んでいきました。



「さくまさんが来ると、なんだか河島英五さんが来たようなオーラがあるんですよね」

と言ったのびっくりしました。

12月23日のコンサートで河島さんの「時代おくれ」を歌ったばかりでしたから。

なにかが引き寄せているようです、「時代おくれ」これは来年、しっかり歌い次いでいきますよ!



ステージで歌いはじめると、太陽が射してきて、暖かいでした。

コートを着て歌っていたのですが、最後は汗までかいてしまいました。



ずっと見てくれる方もいて、嬉しかったです。



本番直前まで大島さんと控え室で話をしていて、着替えが途中のままステージに出てしまいました。俗に言う「さなぎ」ってやつです(笑)

たまに時間がなかったり、誰かと話をしていたりすると、さなぎで出てくる時があるのですね~。



ステージが終わってから、CDを手にしてくれる方と話をしました。

すると、以前は埼玉に住んでいて、ソニックのコンサートも見た事があるくらいで、名古屋に引っ越してしまって、「もうさくまさんのステージが見れないのか?」って思っていたらしいのです。

「逆に名古屋じゃないと聴けないラジオとかもやってますし、また来ますよ」

と僕は言いました。

でも、遠く離れた街で、こうして再会できて本当に嬉しいですね。



また別のお客さんで、「先日のソニックのコンサート行きました」と言ってくれる方もいました。

「さくまひでき」という名前を、そしてライブの予定をチェックして来てくれる気持ちが本当に嬉しく思います。



さらに、スーツ姿の男性が「これから鴻巣に帰るんです」と声をかけてきました。

出張で名古屋に来ていたようなのです、そして金山で僕の看板を見て、聞いてくれたのです。

「それじゃ帰ります」と言って一度は去っていったのですが、また戻ってきて、包みを一つ手渡してくださいました。

「これ、お父様のご仏前に・・・」と言って手渡してくれました。

まさかこんな遠くの街で、こんな優しい気持ちになるなんて思わなかったので、嬉しくて、ただ「ありがとうございます」しか言えませんでしたが、本当に嬉しかったです。



毎回見に来てくださる方とも再会できて、「また来年も宜しくお願いします」と言って別れた。

大阪から来てくださった方もいらっしゃいました。



最後にアスナル金山さんにご挨拶。

事務所にはCDが沢山飾ってあるのですが、僕の「いま守りたいもの」もサイン入りであるんです!これは嬉しいです。



毎週のように開催しているアスナルライブも、今年は今日で最後、そのファイナルに出演出来て本当に嬉しく思います。



「よい年を」と言ってみなさんと別れて、駅へ・・・

金山駅から名古屋駅まで行って、そこから新幹線。

来るときもそうでしたが、賑やかでした。

小さなスーツケースをひっぱっている子供や、ちょっとふくれてるお母さん、「こっちこっち」と声を出す孫にせかされるおじいちゃん、色々な人間模様が見る事が出来ました。

でも、やっぱりいいですね、年末の賑わいって。



ごみごみしてるのに、せかせかしてるのに、平日のせかせかとはちょっと違う、なんだか穏やかさを感じます。



駅の構内で大声で泣いている子供をみかけました。

かけよっていき、荷物を置いて

「どうしたの?」と僕が声をかけると、涙顔のまま僕を見ていました。

「すいませーん」と言いながら、お母さんがやってきました。

だだをこねて置き去りにしていったようです、もちろん本気じゃないでしょうけどね。

「ほらママきたよ」と僕が言うと、お母さんの方を見て、さらに大声で泣き出しました。

子供の涙って、言葉以上の言葉を持っているんですよね。

抱きかかえられる去っていく姿をしばらくみていると、子供が笑顔になりました。

僕も笑顔で応えた。



新幹線のチャイムがなる。

「さて!行くか」

そう心でつぶやいて、ギターケースを抱えて東京行きの、のぞみに乗り込んだ。



いつか僕の歌がもっと全国にひろがった時に、あの子供は僕に気付くだろうか、「あの時の人だ」って気付くだろうか?

いや、気付かなくてもいい

いつの日があの子に僕の歌が届くように、がんばればいいんだ。



歌にのせて・・

君の涙で、人の心は言葉だけじゃないって事がわかった、という事を

伝えられる日まで・・・・



窓辺に流れるのは 夕暮れ・・・

とても優しい 夕暮れでした。
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