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東松山森林公園 紅葉見ナイト

始まりは、とあるチラシからでした。
スタッフが「森林公園で歌を歌う人を募集しているよ」
見ると、「紅葉見(もみじみ)ナイト」と題したイベントを開催する為にパフォーマーやアマチュアの歌手を募集していたのです。
森林公園は自然がいっぱいの場所でしかも、紅葉とイルミネーション・・・
これはやってみたいと思いました。
でもネックになるのは、アマチュアじゃなくて、プロでも大丈夫なのかな?という所でした。
資料を森林公園に送ってみると、「是非お願いします!」と喜んでいただけて、出演が決まりました。

夕方までで閉園して、再入場という形で夜の開園をするのです。
赤くそまった木をライトアップしたり、綺麗なイルミネーションがあるので、沢山の方がいました。
舞台は噴水の前・・・というか後ろ、お客さんとステージの間に噴水の池を挟むという、すごくロマンチックな舞台でわくわくしてきました。

リハーサルへ向かおうと思って、入り口を通る時、「あれ!今日さくまひできさんが来るんだって!!」と会話をしている方がいました。
僕はマスクをしていて、変なピンク色のズボンで、まさかこれがさくまひできとは気が付かなかったようです(笑)
でも、嬉しいですよね。たまたま来て、しかもさくまひできを名指しで知っているって嬉しいです。

今日は音響で熊谷のフジクラ楽器の坂本さんが来ていました。
中学の頃、週末になると通った楽器屋の方で、僕がちょっとずつですが成長して行くのを、見続けてくれている方です。・・・成長しているかどうかわかりませんが(笑)
スタッフの黒澤さんとも仲のいい方で、みんな20年以上のお付き合いですから、舞台の進行もスムーズでした。

陽もくれて来て、いよいよ17時本番。
森林公園の方がいっぱい気を使ってくださって、すごく親切で嬉しかったです。
楽屋もポッカポカでした。
楽屋は温かくても、舞台は寒いぞ!と思い、厚着をして向かいました。

客席はもう満席になっていて、感激でした。

舞台袖に行くまで、ぐるっと沼の方をまわってから行くのですが、そこが真っ暗で、それでも自然がいっぱいなので、なんとなく心が落ち付きました。

司会の紹介があり、いよいよスタート!

ギター一本で「ここにいるから」「足でまとい」と続きました。
静かな園内に響き渡る歌声がすごく心地よかった。

大きな池の向こうにお客さんがいるので、なかなか姿を見る事が出来なくて「みなさんいますか?こんばんは!」と言うと、大きな声で「こんばんは!」と返ってきた時は思わず「おぉー!」と声が出てしまった。

途中、急遽楽屋で今日の雰囲気にあうように練習した「秋の童謡メドレー」をやった。
「もみじ」から始まり「小さい秋」「赤とんぼ」と続いた。
ライトアップされたイチョウの木や赤く色づいたモミジに届いていくようでした。
赤とんぼを歌う時に丁度赤とんぼが飛んできたらロマンチックだな、と思ったのですが、もう暗くなっていたので、それは叶いませんでしたが、心の中に秋の夕空を描いて歌いました。

次に歌った「舞姫」はまさに今日の雰囲気にぴったりでした。
お客さんの方から、水面に僕が映っていたようで、これも最高の演出ですね。

後半の「Goodちょっとパラダイス」の時は、調子にのって歌いながら、「そっちに行きますよ!」と言って、舞台から大きく裏をまわって客席まで行った。
裏はやっぱり真っ暗で、それでも歌い続けていましたが、真っ暗な沼の姿を見たとき、「今歌っている歌は賑わっている客席に聞こえている、でも僕の目の前は真っ暗な大自然・・・なんだか不思議な感じでした。
そこへ一つの光が・・・ スタッフでした。
マグライトを持って足下を照らしてくれました。
いくつもの階段を下りて、ようやくお客さんの方に行けました。
その時に思いついたのです。
「ここはまっくらで照明があたらない・・」そこでこのマグライトを借りて、自分の顔を照らしながら歌いました。
客席をみてまたびっくり、思っていた以上にすっごい沢山の人が見ていてくれたのです。練り歩きながら歌って、盛り上がりました。

そしてトークをしながら、走ってまた裏をまわって舞台に戻ったら、息がハーハー・・・
これにもみんな大爆笑でした。
そして最後に「ただ見つめてただけの初恋」を歌って、想い出に残るステージが終わりました。

終わった後も沢山の方に声をかけていただき、「モミジの写真を撮りに来たんだけど、あまりにいい声だから聴き入ってしまいましたよ」とか「リハーサルの時に聴いて、ずっと待ってました」という方。本当に嬉しかったです。

森林公園の方もすごく喜んでくれて、最高の一日でした。

片付けが終わると、さっきとは打って変わってさみしくなります。
でも、また来年も機会があったら絶対に出演したいと思っています。
僕の中で好きなステージベストファイブに入った森林公園の紅葉見ナイトでした。

帰る時に坂本さんが「さすがだね!すっごいよかったよ」と言ってくれました。
みんな集まっていた時だったので、僕も言葉に詰まって坂本さんに言われると・・・」と言葉に詰まると、スタッフが「なんだか嘘っぽいよね(笑)」とみんなで笑った。
結局最後まで言えなかったのですが、その続きは「中学の頃から僕を知っている坂本さんに言われると、ここまでやってきて本当に良かったって思えます」でした。

その後はコンサートのリハーサルが深夜まであったのですが、最高のステージだったので、逆にテンション高くて、メンバーにも「さくまさんなにかいいことあったんですか?」と言われてしまいました。

寒い中で沢山の方に聴いていただき本当にありがとうございました。
スタッフも風邪で大変だったのですが、最後まで力を抜くことなく動いてくれました。
森林公園の方も最後車が出て行く所まで見送ってくれて、感激しました。
みんなが今日という日を忘れない日にしてくれたら嬉しいです。
なにしろ、寒かったから、あったかいお風呂に入って、みなさん風邪ひかないようにしてくださいね。

今日は曇り空で星は見えなかったけど、心の中に輝く星を見つけた、そんな一日でした。

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