kumakuma-blog

行田市立埼玉中学校 講演会

長年活動をしてきましたが、初めての試み!講演会でした。
場所は行田市の埼玉中学校。
生徒さん達の音楽会が終わって、その後に「ふれあい講演会~夢はいつか現実にかわる」をやりました。
朝七時頃、学校に行くと、すでに昨日の段階で、黒澤さんが音響のセットを終わらせていて、あとはリハーサルだけでした。
リハーサルをして、会議室で待機。
生徒さんが体育館に向かう時に、その控え室(会議室)の前を通っていきます。
しかも、会議室の入り口に「さくまひでき、スタッフ様控え室」って書いてるものだから、みんな「さくまひできだって!」「ストローの人だ!」とか「さくまひでき、知らない?」「さくまひできだ、知ってるよ!」 色々な声が聴けました。
なにより可笑しかったのが、みんな呼び捨て。
でも、その分講演が愛着もって出来そうだと思いました。

音楽会がはじまって、父兄さんも来ていました。
僕もちらっと合唱を見させていただきましたが、みんなびしっ!っとしていて、まじめな学校だ!と感じました。

いよいよ僕の出番です。予定より早く、一〇時頃から講演会の開会がはじまりました。
ステージそでの席に「ポツン」と座らされて、恥ずかしくて、あまりのはずかしさのあまり、校長先生の挨拶の後に、ステージに向かって歩き出してしまいました。
「さくまさんちょっと待ってください」
そうです、まだPTA会長様の御挨拶があったのです。

挨拶も終わって、いよいよステージへ。
いきなり話をするのはなれていないので、「まず一曲聞いていただいてから、お話します」と言って「さよならも言えなくて」を歌った。
そして、そのデビューに向かっての自分の夢への道のりをたっぷり話した。

生徒さんもしっかり聞いてくれて、すごく話やすかったです。

途中「ChangeMyHeart」をはさんで、後半へ。
全国ツアーの話や、息詰まってしまったが、まだやれる事があるのではないか?
そう思ってやり続けた、そんな話をして、あっという間の60分でした。

はじめは60分って長いな、と思っておいましたが、父兄さんの反応や、生徒さんの笑顔で最後までお話が出来ました。

最後に「青い地球(ほし)」を歌いました。

その後は質疑応答。
「質問がある人」と言うと一人だけ手を上げてくれた男子生徒がいた。
「さくまさんの今の夢はなんですか?」
そう聞かれて、僕はこう応えた「○○○○・・・」(公表できなくてすいません)
そして、その後は父兄さんから質問・・・と思いきや「私達の青春時代の歌、「なごり雪」を是非歌ってください」というリクエストでした。
これには、みんなの大受けで、僕も「わかりました!」と言って熱唱した。

こうして、笑顔あり、時には真剣な眼差しありの講演会が終わった。

終わったあとも、会議室を通る生徒さんが「さくまさん感動しました!」とか「さくまさんありがとうございました!」と廊下から声をかけてくれた。
僕は黒澤さんと二人で「さん付けになってる」と言って笑いました。
やっぱり、ステージやる前と後では、みんな変わるのです。
でも、それが最高の喜びです。
僕がほんの数分ステージをやる、今回はお話ですが、それで聞く前を後で、心が変わってくれる、これって本当に意味のある時間です。

その後も校長先生とPTAの会長様とお昼を食べました。
地元の話や、音楽の話、そして、生徒さんの話。
この学校は先生がしっかり生徒を信じている学校だ、と感じました。

そんな時、一人の女子生徒さんが、会議室へやってきました。
「みんなの前では質問できなかったので、一つ質問してもいいですか」
僕は「いいですよ、なんですか?」と聞くと
「答えはいらないので、ヒントだけください、」と言って続けた。
聞いてみると、以前、さいたま国体の行田グリーンアリーナの時に一緒に出ていた生徒さんだった、僕はバンドでしたが、彼女はダンスで出演していたんです。
そして、ダンスも生かして、歌い手になりたい、というのです。

すごく輝いた目をしてる子で、僕は「個性が大事な業界だけど、最初に実力を付けて、そして、大切なのは、いつでも心で燃えている事だよ」とありきたりですが、話した。
自分の夢に向かって突き進む時は、いつでも心が「やるぞ!」という気持ちで燃えていた。もちろん今でも燃えています。
そんな話をすると、彼女は笑顔で「ありがとうございました!」と言って去って行った。

昔の自分を見ているようだった、。
僕も音楽業界の先輩達にいつでも、質問しては、ヒントをもらっていた。
ギターリスト、大橋イサムさんの弟子で付いていた時も、ステージの袖から舞台を見て、いつもなにを探していた。そんな目だった。
なにより、嬉しかったのは、
「答えではなく、ヒントを教えてください」という言葉でした。
僕も昔そうだった、いつもアンテナを伸ばして、なにか吸収できる事を、ヒントを探していた、そして決して答えを求めない。答えをもらえば、だれだって出来るのだから。
自分で遠回りだが、考えてみる、そして答えは自分で出す。
近道を歩いたほが、早く目的地につくが、そこにはたぶん「自分」という個性はない。
だったら、遠回りしてでも、自分らしさを作っていく方が本当に夢でしょう。

いつか、彼女がプロの世界に入って、「あの時の○○です!」と言ってくる日が楽しみです。 
それには僕ももっともっと頑張らないと!

講演をして、僕の話を伝えたつもりですが、逆に僕が教えられました。
あの日の、ヒントを求めていた頃の自分を、再び思い起こさせてくれた、そんな一日でした。

講演で最後に僕が話したフレーズ、これは誰にでも当てはまる事だと思います。

「僕もまだ夢の途中です・・・」
夢は一生終わらない、それこそが最高の人生なのでしょうね。

黒澤さんも啓介くんも川崎さんも、昨日からの仕込みお疲れさまでした。

埼玉中学校の生徒さん、がんばれ!
そして、教頭先生、ありがとうございました。
校長先生、そしてPTA会長様、楽しいランチのひとときのお話、勉強になりました。

帰り道、車を走らせて、しばらくすると、二人の男子生徒が帰宅後に、着替えて、自転車で走っていた。僕に気付いて大きな声で「今日はありがとうございました!」
と言ってくれた。僕も「早いね!もう帰ったんだ」と笑顔で返した。
そして、心の中でつぶやいた
「夢に向かって、がんばれよ!」

そんな気持ちを知ってか、知らずか、二人は見えなくなるまで、僕に笑顔で手を振ってくれた。



"
< 前の記事    一覧へ    後の記事 >